開発エンジニアという業務は製品の開発をする業務ですが、機能だけを満足できれば良いというわけにはいきません。製品を購入した顧客が便利だと思うことが一番重要ですが、頻繁に故障が起きては、この製品のメーカーは故障するという悪い印象を抱き、今後、購入をやめてしまうかもしれません。開発エンジニアは使い勝手の良さや故障が起こりにくい設計をしなければいけません。試作品が出来たとしても、品質管理のテストを実施し、すべて合格できなければ、再設計となります。
品質管理テストとは何日も動作させるテスト、落下テスト、温度テスト、湿度テスト、粉じんテスト、静電気テスト、EMC(電磁両立性)テストなど多くの項目があります。また、過去の似た製品で顧客先からのクレームがあった場合には、改善されているかの確認テストもあるので、一度の試作品でうまくいくことはありません。開発エンジニアは顧客だけでなく、製造についても考えて設計します。製品を製造するというのは、いろいろな部品を組み立てることです。
しかし、多くの作業員が組み立てられるような設計をしなければ、製造の効率が悪く、製造コストがかかってしまいます。開発エンジニアは納期もあることから、時間に追われながら、いつ完成するかわからない製品の試作品を何度も設計しなければいけませんが、いろいろな失敗がある分、成功したときの満足感があります。また、その経験を積み重ねることで開発エンジニアとしてのキャリアップにつながります。